中山競馬場で開催される牝馬限定芝ハンデ重賞レース。同レースは、ハンデ重賞戦らしく波乱傾向にあるレースだが、記憶に新しいところで昨年の優勝馬ランブリングアレーが同年のヴィクトリアマイルで見事2着に激走するなど、春のGⅠ戦線に弾みをつけるべく、有力馬たちが揃うレースでもある。
中でも注意が必要なのは、逃げ馬である。過去10年間、2012年8人気で逃げて優勝したレディアルバローザ、2018年6人気で逃げて優勝したカワキタエンカと中山芝コースの特性、斤量を活かし、見事な逃走劇を披露した。そして、昨年も2着ロザムールが52キロの斤量を活かし、逃げてあわや勝利する寸前までいった。
この様に逃げ馬の活躍が目立つレースとなっているが、今年はどんな脚質の競走馬が集まっているか注目して見ていきたい。まずは、人気が想定されるのはダービー卿C、クイーンSと重賞を複数制しているテルツェットである。
重賞複数制しているポテンシャルは今更説明するまでもなく、中山芝で開催された重賞を制していることからここも問題ないように見えるが、どうしても脚質は気になってしまうところだ。後方から差す競馬が板についているだけに、ここで脚質を変更するとも思えなく、先行勢に足をすくわれる可能性がある。
過去10年間で1人気が優勝したのは1回で、さらに斤量も56.5キロ想定とかなり見込まれている。過去10年間で勝ち馬の斤量は53、54キロに集中しているため、取りこぼす可能性は大いにある。そして次に人気になりそうなミスニューヨークだが、こちらも後方からの競馬を得意としている。
ただし、同馬は中山芝を4戦3勝と得意としており、内2勝は後方からの競馬で勝利しているため、コース適正に関してはテルツェットよりも信頼度は高そうだ。また、斤量もテルツェットより軽いことから前走ターコイズSに続き重賞制覇の可能性は高い。
中山芝1800mについて、スタート後直ぐにコーナーとなるため、内枠が有利となっている。また、内回りコースともあり、基本逃げ、先行勢が有利なコースとなっている。繰り返しになるが、同レースでも逃げ、先行勢の成績は良いため、ここからチョイスをしていきたいところだ。
血統面ではマンハッタンカフェ産駒の馬券内率、単複回収率は高く、ここで該当するのはローザノワール、元々ダートを走っていた競走馬でもあることから冬の力の要る馬場は歓迎で、さらに逃げ、先行が出来る脚は同コースでは歓迎材料である。また、前走が秀逸で、中山芝で中山記念3着のアドマイヤハダルに0.4秒差の勝利と決して展開が向いただけではなく、適正、能力の高さを物語っている。人気はなさそうだが、注目したいところだ。
今年は中山巧者が揃っているだけにレースがレベル高くなりそうで、楽しみである。
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