中山競馬場で開催される2歳限定芝GⅠレース。2017年からGⅠに昇格され、来年のクラシックへ向けて優秀な競走馬が集まる様になってきた同レース。
記憶に新しいところで2019年優勝の無敗三冠馬コントレイル、2018年優勝の皐月賞馬サートゥルナーリアなど3歳、古馬になって活躍した競走馬は多く、今後を占う上で重要な一戦となってくる。同レースの特徴として、何と1人気が5年連続優勝しており、前評判通りの活躍をしているのである。理由としては、2歳戦で、まだ有力馬が出揃っていないこともあり、GⅠとは言え出走馬の能力差は大きく開いており、実績が反映されやすいレースと言えるだろう。
また、5年連続で優勝している1人気を背負った競走馬たちは、2着に1馬身差以上つけて勝利していることもこの裏付けとなる。さて、今年同レースに登録している競走馬の中で支持されるのは誰なのか見ていきたい。
まずは、サウジアラビアRCを快勝したコマンドライン。先日朝日杯FSを走ったジオグリフとの使い分けが疑問視されている中、勝利が義務付けされている同馬。
ただ、前走サウジアラビアRCのレベルに疑問が出ている。タイムもそうだが、2着のステルナティーアは次走阪神JFでぶつけられたアクシデントがあったとは言え、7着と凡走してしまっただけに不安な部分はある。
また、全姉アルジャンナがマイラー寄りの競走馬なだけに、距離の不安も若干ある。母は海外GⅠを制した強者だったが、特に長い距離に実績を持っていたわけではないので、同レースのペースも気になるところだ。次に支持されそうな競走馬は、キラーアビリティか。前走萩Sでは、朝日杯FS3着のダノンスコーピオンとタイム差なしの2着と、2歳トップクラス戦でも十分やれることは証明済みでさらに圧巻だったのは、前々走の未勝利戦である。
赤松賞2着のパーソナルハイ相手に1.1秒差と信じられないパフォーマンスを披露し、小回り距離適性で言えばコマンドラインよりは適正はありそうだ。しかも今年ブレイクしている横山武騎手に乗り替わりとなれば、鬼に金棒ではある。
中山芝2000mについて、スタートはスタンド前直線からでいきなり急坂を駆け上がることとなり、当然パワーは必要になってくる。小回り、距離の関係からペースは上がりにくいが、高低差が激しいコースなだけにスタミナは消耗される。
また、血統面ではモーリス産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではラーグルフが該当してくる。前走芙蓉Sで勝利した同馬は、中山適正は言うまでもなく、走破タイムも問題ないので、ここで好走しても何らおかしくはない。同馬母父にファルブラヴがいるが、母父ファルブラヴを持つ競走馬の中山芝2000mの競争成績は良く、好材料となりそうだ。
今年はコマンドラインに不安点が多いだけに、1人気の牙城が崩れる可能性もあり、波乱の結果になるかもしれない。
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