阪神競馬場で開催される芝重賞レース。同レースは春のマイルGⅠ戦、安田記念のステップレースとなり、2019年には同レースを使い、次走安田記念を制し、秋にはマイルCSを制し、確固たる地位を築いたインディチャンプがいた。インディチャンプが現役の頃は他にマイル女王グランアレグリアもおり、マイル戦線は不動の主役2頭が存在していた。
しかし、今はもうインディチャンプもマイル女王グランアレグリアもいない。言わばマイル戦線は群雄割拠であり、その空席となっている王の座に誰が座るか、皆頂点を目指し、覇権を争っているのである。同レースは1から3人気で過去10年間計7勝と馬券としては荒れにくい傾向があり、毎年実績馬が遺憾なく能力を発揮している。
また、4,5歳馬の若い力が強く、この2世代で計8勝と圧倒的である。元々スピードレースは若馬が強い傾向にあることから何ら不思議ではないが、勝ち馬は4,5歳から選択した方が良さそうだ。さて、今年のマイル王の座を狙い同レースにどんな有力馬が集まったか見ていきたい。
まずは、前走中山記念でドバイターフ優勝馬パンサラッサの2着となったカラテ。実は昨年、一昨年と前走中山記念組が同レースで優勝しており、相性は良いと考えられる。
また、カラテは前々走も安田記念優勝候補に数えられる4連勝中イルーシヴパンサー相手に斤量1キロ重かったにも関わらず0.4秒差3着と好走した。一昨年からGⅠ以外なら大崩れすることはほぼなく、非常に安定している様に見える同馬だが、不安点を挙げるとすれば、初の阪神芝と言う点か。転厩初戦となる今回今までとは勝手が異なり、栗東での調整となっている。
この辺りデリケートな競走馬なら当然何かしらの影響は考えられるだろう。当日のパドックでの気配はいつも以上に警戒して見た方が良いだろう。そして、次に人気になりそうな登録馬はカラテとは異なり、阪神が庭と言っても過言ではないホウオウアマゾン。
阪神ではアーリントンCを制しており、阪神芝マイルを2勝している実績はここでは非常に強みになるだろう。また、昨年のマイルCSでもグランアレグリアと0.4秒差の5着と阪神ならGⅠでも戦える力を持っており、ここで軽視することは危険に繋がる可能性が高い。
阪神芝1600mについて、外回りコースを使用することからゴール前直線は長くなり、また急坂もあることから差し馬の成績が良い。血統面ではハーツクライ産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではヴィクティファルスに注目したい。
正直昨年スプリングSから良いところはなく、何故という部分は大きいだろう。ただ、共同通信杯でエフフォーリア相手に2着の実績などあり、ポテンシャルは高い競走馬で、晩成傾向の強いハーツクライ産駒ともあれば、本格化は4歳以降の可能性も高い。マイルに距離を変更することで一変することも十分考えられる。
今年は若い有力馬が揃っているだけに、今後のマイルGⅠ戦線に向け非常に楽しみだ。
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