フェアリーSをゆっくり解説
的中データラボの見解
中山競馬場で開催される3歳牝馬限定重賞レース。同レースの特徴としては、過去10年間で1、2人気がことごとく馬券外になっており、共に1勝ずつしかしていない。そして、なぜか3人気が5勝と読みづらいレースなのである。
因みに現在3年連続で3人気が同レースで優勝しており、人気順で予想することは好ましくないことだが、ここまで差があると意識してしまうものである。また、同レースは残念ながら3歳牝馬クラシックに直結するレースとは言い難いが、昨年同レースを優勝したファインルージュが桜花賞3着、秋華賞2着と状況は変化しつつある。
まずは、今回どんな有力馬たちが登録しているか見ていきたい。1頭目は叔父に短距離で無類の強さを誇ったキンシャサノキセキがいる、エリカヴィータである。新馬戦では、他馬とレベルが違う上手なレース運びを魅せた。
道中横から馬が来ようが動じず、ジッと我慢し、騎手のタイミングに合わせて直線末脚を爆発させた。とても3歳になりたての競走馬とは思えない落ち着きぶりであった。同レースでも引き続き、ルメール騎手が手綱をとる予定で、頼もしいところである。残り少ないキングカメハメハ産駒だけに、好成績を残してほしいものである。
そして、そのエリカヴィータ以上に才能の片鱗を感じる競走馬が登録している。それは、スクルトゥーラである。前走では完全な前残り展開だったにも関わらず、きっちり中団から差しきったのである。持ち味は長い直線でこそ活きる末脚だろうが、1600mならスピードも申し分なく通用するだろう。
実は同馬の母カービングパスは2015年に同レースに出走していたのである。その時1人気を背負って走り、残念ながら8着に沈んでしまったのである。そのため、スクルトゥーラにとっては越えなければならないレースとなるだろう。先に挙げた2頭は新馬戦から2カ月以上経過しており、この間どれ程成長しているか楽しみでもある。
中山芝1600mについて、外回りコースを使用するが、カーブを走ることが多く言わずもがなロスなく走れる内枠有利のコースである。そして、道中下り坂があるため、ペースはスローになりにくく、スピードが求められる。中山らしいトリッキーなコースで、競争能力の高さがそのまま反映されるとは限らない。また、馬格がある競走馬が有利なコースで同レース小さなサイズの競走馬の登録が多いだけにポイントになりそうだ。血統面では、ドゥラメンテ産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではスターズオンアースに注目したい。
祖母には海外で数々のGⅠを制したスタセリタがおり、叔母には阪神JF、オークスを制したソウルスターリングがいる。血統背景は文句がつけようがなく、前走東京で開催された赤松賞では3着に終わったが、中山芝コース替わりで改めて見直したいところだ。
今年も人気馬は潰れてしまうのか、各馬コース実績がない中難しいレースとなりそうだ。
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