中京競馬場で開催されるスプリントGⅠレース。同レースは春の短距離王を決める、日本競馬屈指のスピード自慢たちが集うレースである。残念なことに昨年3歳でスプリンターズSを制したピクシーナイトは怪我のため不在となるが、それでも豪華な面子が揃っている印象だ。その中でも優勝筆頭候補であるレシステンシアの意気込みは凄まじいものであろう。
昨年1人気に推され挑んだ同レースでは、香港スプリントを制した強者ダノンスマッシュに差されクビ差で敗北。次に昨年のスプリンターズSでは新鋭ピクシーナイトに敗れ、前走初の海外GⅠ戦、香港スプリントに挑むもまたもや2着と及ばず、惜しいレースばかりなのである。かれこれGⅠ戦5回も2着となっており、その実力は誰もが認めるものの、後一歩届かないレースが続いている。
1400m以下のレースでは3着以下になったことがない短距離戦において、絶対的な存在ではあるのだが。ただ、今年は阪神JF以来のGⅠタイトル獲得のチャンスが巡ってきた。競馬ファンとしては残念だが、ピクシーナイトという最大のライバルが不在で、ダノンスマッシュの様なレベルの高いスプリント実績がある競走馬がいないのである。
ここで勝てなければいよいよ呪われているレベルになるかもしれない。しかし、そんなレシステンシアの野望を崩す可能性のある競走馬が登録している。それは、暴走馬メイケイエールである。暴走馬とは昔のことで、暴れ馬のコントロールに長けている池添騎手を背に成長を続けている。その予兆は2走前スプリンターズSで現れ、ピクシーナイトから離されたものの4着と大健闘し、前走シルクロードSでは「我慢」を学習したかの様に上手に走っていた。
メイケイエールが「我慢」を身に着ければ、並みの競走馬では太刀打ち出来ないポテンシャルを秘めているので、納得の結果であった。そして、過去10年前走シルクロードS組の成績は良く、2020年同レース優勝馬モズスーパーフレア、2018年優勝馬ファインニードル、2017年優勝馬セイウンコウセイ、2016年優勝馬ビッグアーサーなど前走シルクロードSで、かなり相性が良い。
中京芝1200mについて、特徴としてはコーナーがスパイラルカーブになっているため、内側を走る競走馬にとっては厳しい角度となり走りづらく、外側を走る可能性が高い外枠が有利な傾向にある。同レースでも1枠は過去10年で3着1回しかなく、その影響もあるかと考えられる。血統面では、当然かもしれないがロードカナロア産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではレイハリアに注目したい。
前走は連勝街道からのまさかのシンガリ負け、メンタル面での影響はあったかもしれないが、戦ってきた相手、持ち時計を考えれば初GⅠ戦だとしても面白い存在となるだろう。
未知数の競走馬が何頭かいるだけに、楽しみが多いGⅠ戦となりそうだ。
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