阪神競馬場で開催される3歳牝馬限定芝重賞レース。同レースは桜花賞トライアルレースで、主には短距離からマイルを使っている競走馬が集結する。過去10年間で2017年桜花賞を優勝したレーヌミノル、2016年桜花賞3着アットザシーサイド、2012年桜花賞3着アイムユアーズなどが同レースを使い、牝馬の夢の舞台で輝いた。
同レースを使い桜花賞で活躍した競走馬は少なく、地味なレースに感じるが面白い話もある。2013年同レースで優勝したメイショウマンボは桜花賞で凡走したが、何とその後オークス、秋華賞と牝馬クラシック2冠を達成したのである。何故芝1400から1600mを主戦としていた競走馬が、トップクラスが集まるGⅠ芝2400m戦でいきなり優勝することができるのか、これが競馬の面白いところでもある。
話を同レースに戻すが、特徴として過去10年間兎に角内枠が好成績を残しており、1から3枠で計8勝と圧倒的である。これはコース特性上仕方のない話だが、偏り過ぎである。また、昨年同レース3枠に入り8人気で優勝したシゲルピンクルビー、2019年同レース1枠に入り12人気で優勝したノーワンなど決して人気馬が集中していたわけではないことから、枠順には要注意した方が良いだろう。
さて、今年はどんな有力馬が集まったか見ていきたい。まずは、小倉2歳S優勝、ファンタジーS2着、阪神JF5着と重賞で好走を続けているナムラクレア。父親ミッキーアイルらしく、短距離を主戦としているが、前走からの距離短縮は間違いなく好転するだろう。折り合いを課題としていたが、前走である程度クリアできた様だ。先行馬が多く揃った同レースでは、持ち味の末脚を存分に活かせる展開になる可能性が高い。
次に注目が集まるのは、割れるだろうがアネゴハダか。同馬ダートも走れるパワーの持ち主で前走の様に力の要る馬場だったら、上位に浮上してくるだろう。キズナ産駒は同コースで地味に馬券内率が高く、侮れない存在ではある。ただし、ここまで人気が想定される競走馬を挙げてきたが、同レースは過去10年間で7人気以下が計4勝と好成績で、すんなりいかない可能性は高い。
阪神芝1400mについて、特徴としてはコーナーが下り坂となっており、スピードがつきやすく、スタンド前直線に入る際、外に膨らみやすいことだろう。そのことからもロスが少ない内枠が有利で、全体的に内枠の成績が圧倒的に良い。また、坂、この時期の馬場も相まって力も必須となる。
血統面では、ミッキーアイル産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ナムラクレアの他にスリーパーダが該当する。同馬小倉2歳Sではナムラクレアの2着と好走したものの、ファンタジーSでは惨敗を喫し成長は必須だが、半姉に桜花賞2着、オークス優勝馬のシンハライトがおり、このままで終わるはずはない。調教、当日の馬体を見ながら注目したい1頭である。
枠順が重要なレースなだけに、運も左右するレースで誰が幸運の内枠を獲得するか楽しみだ。
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