中京競馬場で開催される3歳限定芝重賞レース。同レースは短距離路線を今後担うであろう若きスピード自慢たちが集結するレースだ。過去10年間で2020年同レース2着馬ラウダシオンはNHKマイルCで優勝し、2018年同レース優勝馬ミスターメロディは高松宮記念を優勝するなど飛躍を遂げた競走馬がいる。
今年も快速馬が多く登録しており、この世代の力関係も段々と見えてきたところだ。特に朝日杯FSに出走した競走馬はその後の活躍もめざましく、GⅠ戦ともありレベルが高かったレースと言えるだろう。今年もここから何頭か登録しており、人気が予想される。
ただ、気になる点として前走朝日杯FS組の好走例は多いが、過去10年間優勝馬がいないのである。これは朝日杯FSから3カ月間の休養期間が原因の一つと考えられ、いくら休み明けでも走る時代になったとは言え、レース経験少ない若馬にとってはマイナスになるだろう。
今年はこの負の連鎖を断ち切れるか、注目が集まる。まず、人気が想定されるのは朝日杯FS6着からクロッカスSに挑み、見事完勝したトウシンマカオ。同馬の強みは何と言っても左回りでの実績とスピードであろう。その先行策は模範的で、決してブレない型は馬券購入者にとっては安心材料であろう。
そして、父ビッグアーサーの血をしっかりと受け継いでおり、母親も主戦場は中距離だったもののスピードをウリにしていただけに、短距離路線での活躍が期待されている一頭だ。次に人気が想定されるのは、スピードだけならトウシンマカオを上回るだろうオタルエバーか。そのスピードは間違いなく、新潟2歳Sでは逃げてセリフォスの0.3秒差3着など実力馬にも通用しており、過去5戦中4戦逃げの戦法をとっている。
気になる点は、冒頭挙げた前走朝日杯FS組ということと、逃げられなかった時はどうなるかという点である。同レースは快速馬が揃っているだけにハナを切れる確率は低くなるだろう。ただ、リオンディーズ産駒の距離短縮はプラスで、前進してほしいものだ。
中京芝1400mについて、スタート後コーナーまでの直線では上り坂を駆け、第3コーナーあたりから坂を下っていく。この際スピードがつきやすく、そのまま中京芝名物の長い直線と急坂を駆け上がらなければならないため、先行勢が崩れるケースも少なくない。
同レース快速馬が揃ったこともあり、後方待機の競走馬を狙っていきたいところで、登録馬で注目しているのはプルパレイ。今まで逃げ、先行の手を打ってきた同馬であるが、前走最後方からの末脚は新たな境地を築いた。
後ろからでも展開できることが判明したことは強みで、ここで先行が出来ずとも自信を持ってレースを進めることができる。また、イスラボニータ産駒は1200から1600mに勝ち星は集中しており、適正は言わずもがな、決め手に欠けるイスラボニータ産駒が多い中、期待が持てる一頭であろう。
今後の短距離路線の種牡馬勢力図を占う意味でも楽しみなレースだ。
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