阪神競馬場で開催される3歳牝馬限定芝重賞レース。同レースは3歳牝馬クラシック桜花賞のトライアルレースとなる。桜花賞と同じコースで施行されるため、各競争馬本番に向け絶好の舞台となろう。また、デビューが遅れ、賞金が足らない競走馬にとっては何としても上位に入り、桜花賞への出走権利を取りたいところだ。
過去10年間、同レース好走馬には紹介するまでもないが名牝がズラリと並んでおり、2018年優勝馬ラッキーライラックはアーモンドアイのライバル馬として、桜花賞2着、オークス3着とクラシックで活躍し、古馬になってからは大阪杯などGⅠを3勝した名牝であった。2016年同レース優勝馬シンハライト、2着ジュエラーは桜花賞で着順入れ替わったがワンツーフィニッシュを決めた。
トライアルレースに相応しくここで好走すれば、桜花賞での活躍も約束された様なものである。そんな、重要なレースには、今年も数多くの有力馬が集結している。1人気が想定されるのは当然ながら阪神JFを制した世代最強牝馬であるサークルオブライフである。新馬戦こそ3着であったものの、連勝で阪神JFを制しただけに決して運が重なって阪神JFを勝利したわけではない。そんな基礎能力の高い同馬であるが、中でも光るのは世代屈指のパワフルな末脚である。後ろからグイグイ上がってくるその豪脚は、牝馬らしからぬモノがあり、冬の阪神馬場の様なタフな馬場で輝くものであろう。
父エピファネイア、母父アドマイヤジャパンから早くから活躍できる血統で、現時点完成度で言えば他馬と比べ頭一つ抜けているだろう。出走登録馬には逃げ、先行馬の登録も多く、ペースは流れることが想定され、後は、何割の仕上りでくるか当日のパドックに注意し、問題なければ馬券外になる可能性はかなり低いだろう。
そんな世代最強馬に挑む一番手として、ナミュールが挙げられる。同馬、決め手だけ見れば決してサークルオブライフに劣っているわけではない。同馬の一番の課題はゲートであり、出が悪く、後方からの競馬になりやすいことである。一瞬の出遅れがメンバーによっては致命傷になり、若武者横山武騎手の手腕が問われるところであろう。
阪神芝1600mについて、外回りコースを使用するためにスタンド前直線は長く、ゴール前には急坂があるため、差し、追込み馬の活躍が目立つ。
また、冬の馬場も相まってかなりタフなコースとなっている。血統面では末脚を身上とするディープインパクト産駒の馬券内率は当然の如く高く、クラシックに向けゆっくりと仕上げてくる競走馬が多く、この時期に新星が現れやすい。登録馬でピッタリ当てはまるのが、ルージュスティリアである。新馬戦ではフェアリーS、クイーンC2着のスターズオンアースを降し、才能ではピカ一であろう。また、桜花賞の権利取りに半端な仕上げでは出てこないことが想定され、期待は出来るだろう。
今年も桜花賞に向け、外せない牝馬たちが集結しただけに楽しみだ。
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