中山競馬場で開催される3歳限定芝重賞レース。同レースは、皐月賞へのトライアルレースとなり、皐月賞に向けギアを上げたい、賞金が足りなく是が非でも上位に入りたいなど陣営の思惑は様々である。
ただ不変なものとして、皐月賞に向け同レースは絶好の舞台であり、過去10年間で同レース2013年優勝馬ロゴタイプ、2015年優勝馬キタサンブラック、2018年2着エポカドーロなど皆皐月賞で好走している。
皐月賞と同じ中山芝で施行されるレースなだけに繋がるものは多く、出走するにあたって陣営のモチベーションは高いだろう。また、同レースの特徴としては1人気が非常に安定しており、過去10年で複勝率が9割と脅威である。また面白いことに過去5年間3着内にディープインパクト産駒はおらず、求められる能力が瞬発力ではないことが考えられる。
一昨年の3人気ファルコニア、昨年の2人気ランドオブリバティもディープインパクト産駒で沈んだ内の1頭でもある。さて、今年はどんな競走馬が集まったか有力馬を見ていきたい。まずは、前走共同通信杯で5着と渋い結果であったアサヒ。何故人気が出そうかというと、正直今回登録している競走馬たちの実績は光るものがなく、その中でも東京スポーツ杯2歳Sで才馬イクイノックスの2着、そして弥生賞で勝利したアスクビクターモアの未勝利戦時2着の実績があるためだ。評価すべきは、アスクビクターモアに同レースが施行される中山芝1800mで引けを取らなかった点だろう。
未勝利戦時以来の中山となるが全く問題ないだろう。次に人気が想定されるのは、こちらも前走京成杯4着と渋い結果であったアライバル。こちらも戦ってきた相手で評価されている部分はあるが、血統もその一つと言えるだろう。半姉にはアルテミスS2着のククナ、そして何より母親が桜花賞2着、オークス3着のクルミナル、母方祖母が海外GⅠを複数勝利したクルソラと良血なのである。ただ、こちらは中山芝が合うかどうか前走からもやや不透明で、前走騎乗したルメール騎手も広いコースの方が良いとのコメントがあり、ここを使うにあたりやや懐疑的である。
中山芝1800mについて、特徴としてはスタート後直ぐにコーナーがあることから内枠が有利な点である。さらに小回りコースともあれば尚更で、先行馬は内枠に入りたいところであろう。
また、冬の馬場らしくパワーが必要で東京芝に必要な要素とはまるで逆である。血統面では、ドゥラメンテ産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではグランドラインに注目したい。中山芝でボーンディスウェイ、ラーグルフと重賞でも通用している競走馬たちにタイム差なしの成績と適正についてはかなり高いと考えられる。東京芝は向いていないだけに最大の目標は皐月賞であることは明白で、是が非でも出走権を取りたいところだろう。
今年はやや面子が寂しいが、人気薄で面白そうな存在が何頭かいるだけに穴党にとっては面白いレースになるかもしれない。
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