阪神競馬場で開催される牝馬限定芝重賞レース。同レースは京都競馬場が改修工事のため、昨年に続き阪神競馬場の開催となる。同レース2016年優勝馬クイーンズリングはその年のエリザベス女王杯を制し、2017年優勝馬レッツゴードンキはその年の高松宮記念、スプリンターズSで2着になるなど、今年のGⅠ戦線へ向け登録している牝馬にとっては大事なレースとなりそうだ。
そんな明るい未来を見据え、登録している競走馬たちだが、今年は名牝の娘が多い。GⅠ6勝馬ブエナビスタを筆頭に、ヴィクトリアマイル2着の実績を持つ重賞馬ドナウブルー、阪神JF,秋華賞2着の実績を持つ重賞馬アニメイトバイオの娘など優秀な母を持つ競走馬の登録が目立つ。
母が優秀だからと言って優秀な競走馬が誕生するわけでもなく、期待という重圧の中、育成するにあたっては大変なことであろう。そんな優秀な母を持つ競走馬の登録が多い中、人気が想定されるのは昨年の同レース2着馬ギルデッドミラー。
NHKマイルCで3着の実績がありながらも未だ2勝しかしておらず、引退後箔をつけるためにも是が非でも勝ちがほしいところである。
また、同馬は前々走など二桁着順で、凡走多く見えるが、勝ち馬とのタイム差は近5走全て0.5秒差以内と安定はしている。今年も昨年に続き阪神開催となれば、期待値は上がるだろう。同馬の母は先に挙げた優秀な母たちに比べると戦績は目立たないが、国内で重賞を勝利したストロングタイタン、そして海外で重賞を勝利したレネーズタイタンなどを産んでいる。
現役時走らずとも母として優秀な馬は多く、ギルデッドミラーの母は正にその例だ。鞍上は怪我明けでも絶好調な福永騎手の予定で、重賞初制覇も夢ではないだろう。ライバルとなりそうなのは、こちらは母が優秀なスカイグルーヴ、母は現役時5勝を挙げ、そして祖母にはGⅠ馬アドマイヤグルーヴがいる良血である。
同馬はまだ3勝クラスをクリアしたばかりであるが、夏を越し成長が伺え、今が伸び盛りといったところだ。過度な期待は禁物だが、この血統背景もあり、人気はするだろう。
ただ、前走はあまりにも完璧なレース運びで、ペースも遅い方が向いていることを考えると、同レースは阪神芝1400mのコースで速めの流れが予想される中どう対応するか見物である。むしろここを好走すれば本格化は近いということであろう。
阪神芝1400mについて、スタートから第3コーナーまで直線が長く、第3コーナー辺りから下り坂となっており、ペースが速くなりやすい。そして、そのスピードのままスタンド前直線に入り、急坂を駆け上がらなければならないため、タフさが求められる。血統面ではオルフェーヴル産駒の単複回収率が高く、出走するのであれば、ここはクリノプレミアムに注目したい。
1600mを逃げ切れるスタミナと前走京都金杯勝ち馬から0.3秒差5着と重賞でも戦えることが証明されたこともあり、人気が出ない様であれば期待したいところだ。
今年GⅠ戦線で戦える牝馬が現れるかどうか、優秀な母を持つ子が多いだけに見物だ。
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