中山競馬場で開催される重賞レース。秋GⅠ戦に向け、有力馬たちが始動する時期となった。同レースは、その秋GⅠ戦の前哨戦となるが、過去10年間同レースに出走し、GⅠで好走した競走馬は数知れず、2018年優勝馬レイデオロは同年の天皇賞(秋)を制し、2015年優勝馬ショウナンパンドラは同年のジャパンカップを制するなど、過去出走馬には名馬たちが並ぶ。
今年も秋GⅠ戦の主役の1頭が登場する。それはレイパパレだ。前走は現役NO.1と呼び声高いクロノジェネシスに敗れはしたものの、前々走大阪杯では無敗3冠馬コントレイル、最強のマイル女王グランアレグリアを負かした勢いのある競走馬だ。
しかも、出走したレース数はまだ少なく、前走の敗北が良い方向に成長を促している可能性もあり、ここでも不動の人気となるだろう。ディープインパクト産駒には珍しく、先行力をウリとしており、その推進力は現役馬の中では群を抜いている。
また、今回登録している競走馬の中に同型が少なく、自分の形でレースを進められる可能性が高い。そして、休み明けにも強く、馬場不問となれば、一見ライバルは不在と思える。しかし、競馬は何が起こるかわからない、少しでも勝てる見込みがある有力馬たちを見ていきたい。
まずは、海外GⅠ戦で実績を残しているグローリーウェルズ、この競走馬は瞬発力が物を言う馬場よりも力の要る馬場、そしてスタミナ勝負の展開になれば強さを発揮する。
新馬戦以来の中山芝コース出走となるが、左回りより右回りの方が得意としており、その点は心配要らないだろう。また、戦ってきた相手を考えれば、レイパパレに通用してもおかしくない。
海外帰りともあり、調教内容、当日の馬体に要注目の1頭だろう。次にレイパパレと同じ牝馬のウインマリリンである。先に挙げた2頭と異なり、GⅠ馬ではなく、何故有力馬の1頭に数えられるかと言うと、中山芝を大得意としているからである。
2走前の日経賞では、GⅠレース常連馬であるカレンブーケドール、天皇賞(春)を制したワールドプレミアムを抑え優勝した実績を考慮すれば当然である。同レース、過去10年間波乱が少なく、挙げてきた有力馬たちの実績を素直に評価する方が得策かもしれない。
さて、中山芝2200mについて、スタート後とゴール前に急坂があり、緩やかなコーナー4つの小回りコースなので、急坂を駆け上がるパワーと器用さが必要なコースだ。
スタンド前直線が短いことで先行馬の活躍が目立ち、割と特徴がはっきりとしているコースだ。他のコースと異なり、トリッキーなコースなので実績ある競走馬はとことん走る。
そして、今回その中で注目したいのは、中山芝で2戦2勝と中山適正の底が知れないキングオブコージだ。破竹の連勝で重賞馬となり、前走はグローリーウェルズに敗北したが、中山芝で逆転する可能性はある。長期休み明けで過度な期待は酷かもしれないが、どこまでやれるか楽しみだ。
レイパパレ1強とされるレースだが、各有力馬たちの得意とする分野での勝負となれば大金星をあげる可能性はまだ残されている。どんな展開になるか待ち遠しい。
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