阪神競馬場で開催される3歳限定重賞レース。同レースはNHKマイルCのステップレースに位置付けられているレースである。ただ、同レースに出走した競走馬がNHKマイルCで活躍しているかと言うと、そこまで目立つものではない。
過去10年間で目立つものと言えば、2014年同レースを勝利したミッキーアイルが次走NHKマイルCで優勝したくらいであり、後はここを使いNHKマイルCで3着がちらほらいるくらいである。
一見あまり重要に見えないレースかもしれないが、それは事実ではない。同レース優勝馬のその後を追っかけると2012年優勝馬ジャスタウェイはその後天皇賞(秋)、ドバイデューティーフリーを制するなど国内のみならず、海外でも名を馳せた名馬へと成長した。
2013年優勝馬コパノリチャードはその後高松宮記念を制し、2017年優勝馬ペルシアンナイトはその後マイルCSを制するなど古馬になってから活躍している競走馬が多く存在するのである。要するに未完の大器がその片鱗を魅せるレースでもある。
また、2年連続前走朝日杯FS組が制しているものの、今年は残念ながら該当する競走馬はいない。しかし、今年は注目されている競走馬が登録している。
それは萩SでホープフルSを制したキラーアビリティを降し、朝日杯FSではドウデュースに敗れはしたものの0.2秒差3着と大健闘したダノンスコーピオンである。
前走は出走前コメントでも出ていたが、仕上がっていない状態であったが故に、敗北は仕方ない。また、騎乗した川田騎手曰く距離が長かったとのコメントから、同レースに照準を合わせてきた部分はあるだろう。
そして、騎乗経験のある松山騎手がこれからの馬と評した様に、今後も気になる競走馬である。同レースではどれだけ調子を戻しているか最大の鍵となり、朝日杯FSぐらいの状態であれば勝利する可能性が高いだろう。次に注目されているのは、京王杯2歳Sを制したキングエルメスである。
怪我明けで状態は気になるものの、京王杯2歳Sでは阪神JF2着のラブリイユアアイズを圧倒したことから実績は申し分なく、2戦連続の重賞制覇の期待が掛かる。
阪神芝1600mについて、先週まで内枠が有利だった点は気になるものの、過去10年間同レースはそこまで枠に成績の差はなく、むしろやや内枠が劣勢なくらいである。
そして、外回りコース、基本瞬発力勝負になりやすいコースで外差しが届くかどうか当日の馬場状態には注目した方が良いだろう。
血統面ではデータ数は少ないものの、中山、阪神芝と力の要る馬場で勝ち星を多く積み上げているイスラボニータ産駒に注目したい。同レースではトゥードジボンが該当し、同馬も既に阪神芝1600mで2勝とここを得意としている。持ち時計も悪くなく、いきなり重賞で通用しても何ら不思議ではない。
今年はNHKマイルCで直ぐに活躍する競走馬が出るか、はたまた古馬となって輝く競走馬が出るか、楽しみである。
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