阪神競馬場で開催される長距離芝GⅠレース。同レースは昨年に続き京都競馬場が改修工事のため、阪神競馬場の開催となるが、毎年現役ステイヤートップクラスが集う過酷なマラソンレースとなっている。そして、同レースは伝統あるレースで、リピーターが多いことが特徴の一つとして挙げられる。
2013、2014年覇者フェノーメノ、2016、2017年覇者キタサンブラック、2019、2020年覇者フィエールマンと連覇を記録する競走馬が多いが、残念ながら昨年の覇者ワールドプレミアは引退したため、連覇は目に出来ないものの、リピーターとして適正ピッタリの競走馬が登録している。
それは、ディープボンドである。昨年の天皇賞(春)では例年以上にタフな展開ながら、持ち前のスタミナを発揮し、勝ち馬以外とのスタイヤ―としての能力差を明確にさせた。また、昨年の有馬記念ではエフフォーリア相手に2着といつGⅠを取ってもおかしくない存在である。
前走阪神大賞典では、いかにも休み明けという出来ながら完勝とその存在感は、増してくばかりである。前走阪神大賞典はステイヤーとしての資質が高い競走馬が集まりやすく、当然天皇賞(春)で活躍する競走馬は多い。ディープボンドで言えば、ここから更に上昇してくる可能性が非常に高く、死角は少ないだろう。
また、同馬については馬場不問で天候を気にしないで良いことは非常に強みである。もうこの競走馬で確定ではないかと、考えるかもしれないがそう甘くはない。それは、ライバルであるタイトルホルダーの存在である。
強い4歳世代の長距離適正№1の競走馬で菊花賞を逃げて2着と0.8秒差の勝利と、底が知れない。有馬記念では菊花賞後ともあり、余力があったわけではないが、5着と掲示板確保は立派な成績であった。
ディープボンドと同じく前走は前哨戦仕上げも完勝と、ライバル同士準備万端の体制で臨める可能性が高く、正に頂上決戦となるだろう。タイトルホルダーの場合は逃げる形が一番良いが、今回の登録メンバーを見る限りハナを切れる可能性が高く、ライバル同士お互い得意の型で真っ向勝負してほしいものだ。
さて、阪神芝3200mについて、当然ではあるがデータはほぼないものの、昨年のレースを見れば分かるが兎にも角にもスタミナが必要で、しかも内回りともあり先行出来、そのままスタミナを活かし押し切るタイプが望ましいであろう。
それに合致しそうな競走馬と言えば、オルフェーヴル産駒のアイアンバローズである。重賞でもあまり目立つ存在ではなかったが、前々走ステイヤーズSからステイヤーとしての資質を開花させ、前走ディープポンド相手にあわや勝利という所までいった。これはマグレという話ではなく、いよいよ本格化してきたのであろう。
また、血統面でも半兄に海外GⅠ長距離ダート戦ベルモントSを制したパレスマリスがいることからスタミナについては問題ないだろう。
今年はリピーターとして、ディープボンドが制するか、それともタイトルホルダーが勝つのか、いずれにせよガチンコレースが期待出来そうだ。
コメント