福島競馬場で開催される芝重賞レース。同レースは昨年新潟芝での開催だったものの福島重賞らしく荒れるレースで知られている。過去10年間で二桁人気が馬券内に入った数は8頭、1年に1頭ほど絡んでいるペースである。
ハンデ戦でもないのに、こんなに人気薄が絡むのも珍しいが、一つ傾向として前走中山牝馬S組が馬券内に入ることが多く、2012、2017年は馬券内3頭全て前走中山牝馬S組であった。
軸はここから選択することを薦めたいが、同レース過去10年間二桁人気で馬券内に入った8頭は全て前走中山牝馬S組ではなく、穴候補で選ぶのであれば、前走中山牝馬S組以外からの方が良いだろう。
何故ここまで前走中山牝馬S組が好走するかというと、右回りの小回りコースという点など施行されるコースの特徴が似ていることが理由の一つとして考えられる。
さて、今年は前走中山牝馬S組から有力馬が登録しているのか、注目して見ていきたい。まず、人気が想定されるのは前走中山牝馬Sで6着と掲示板に入らなかったものの勝ち馬から0.2秒差と好走した重賞馬ルビーカサブランンカである。
毎回後方からの競馬にはなるものの、安定した末脚を披露する同馬。同レースは差し馬の成績が良いことから、脚質的には困る可能性は低いであろう。そして、母親ムードインディゴは秋華賞で2着となった実績馬で、全兄にはユーキャンスマイルもおり、血統背景は良く、今が充実期で期待される部分も大きいだろう。唯一気になる点は距離で、新馬戦以降の計4勝は全て距離2000m以上で、同レースは距離が足りない可能性がある。
ただ、古馬になってから大敗がない安定感ある同馬にとっては、杞憂に終わることも考えられる。次に人気を集めそうな競走馬は、こちらも前走中山牝馬S組から重賞馬アブレイズ。同馬はルビーカサブランカとは異なり安定感が全くない。前走2着を取るまでの戦績は、3勝、馬券外8回と極端な数字であった。
ただ、前走は長期休み明けでの好走ともあり、心身ともに成長した可能性がある。同馬実は昨年も同レースに出走しており、新潟開催ながらも上り最速を披露し、勝ち馬から0.2秒差と肉薄であった。しかも、今年同様前走中山牝馬Sからの出走でこの時着順は12着と、今年は出走体勢が昨年と異なり期待が持てる。
福島芝1800mについて、小回りコースともあり、スタートから先行争いが激化することが多く、序盤ペースは速くなりやすい。同レースでも差しが決まりやすい理由の一つとなっている。当然ながら外枠よりも内枠の方が成績良く、大外枠は割引が必要。
血統面では、ルーラーシップ産駒の単複回収率が高く、ここではフェアリーポルカに注目したい。一昨年の同レース優勝馬で前走は休み明けもあり、大敗したものの牡馬と混合で走った福島記念を度外視すれば、再びこの地で躍動する可能性は高い。
今年も二桁人気が通常運転の様に馬券内に入ってくるか、穴党にとっては楽しみなレースになるだろう。
コメント