中山競馬場で開催される芝重賞レース。同レースは、天皇賞(春)のステップレースに位置付けられているレースで、2013年同レース優勝馬フェノーメノは、同年の天皇賞(春)を制した。しかもそれだけでなく、翌年同レースに臨み5着と凡走した後、次走何と天皇賞(春)を制し連覇を果たしたのである。そして、記憶に新しいところで昨年同レース3着であったワールドプレミア、先日阪神大賞典を制したディープボンドを退け、天皇賞(春)を見事制した。同レースの傾向として、ロングスパートを必要とする展開になることも多く、ここが天皇賞(春)に直結する部分とも考えられる。
そして、今年は昨年のワールドプレミアと同じく菊の王者が登録をしている。それは、タイトルホルダーである。有馬記念は菊花賞からの厳しいローテの中、掲示板確保と素晴らしいレースを見せてくれた同馬には、故障明けながらも競馬ファンからは何割の力で「勝つ」のだろうと期待が寄せられている。
先日阪神大賞典を制したディープボンドは先に前哨戦を済まし、長距離戦GⅠタイトルマッチに向け準備万端であり、タイトルホルダーも情けないレースを見せるわけにはいかないだろう。同レース前走有馬記念組が強く、それも掲示板内好走と力を示した競走馬が好成績をおさめていることも、タイトルホルダーの背中を押してくれるデータの一つである。
また、同型が多くなく、楽にレースを運べる可能性が高く、レース展開も向きそうである。後は調教、当日の馬体から7割ほどの出来であれば問題はなさそうだ。次に人気を集めそうなのは、中山重賞を制覇しているアサマノイタズラか。アリストテレスが回避となり、2人気に落ち着きそうだ。
前走中山で開催されたアメリカジョッキーCでは遺憾なく能力を発揮し、勝ち馬と0.3秒差の4着と中山巧者ぶりを見せつけた。しかし、同レースでは前走から距離が300m延びてどうなるか、有馬記念の着順はレースレベルから度外視しても不安は残る。父ヴィクトワールピサは距離関係なく中山を得意としただけに杞憂に終わると良いが、中山巧者として真価が問われるだろう。
中山芝2500mについて、有馬記念が施行されるコースで、コーナー途中からスタートするため、どうしても内枠が有利になるコースである。そして、小回りを走るコントロール性能と急坂を2回駆け上がるパワーが必要である。血統面では、有馬記念、天皇賞(春)などを制したスタミナ怪物ゴールドシップ産駒に注目したい。ゴールドシップ産駒データ数は少ないが、着実に長距離戦での成績を残してきており、ここで該当するウインキートスも中山の長いコースで多くの実績を残してきている。
オールカマーではウインマリリンの2着と着実に成長している点からも昨年のリベンジを期待したいところだ。
天皇賞(春)に向けて、こちらではどのような展開になるか、楽しみである。
コメント