阪神競馬場で開催されるダート重賞レース。同レースを出走し、地方GⅠ戦であるかしわ記念や帝王賞に駒を進める競走馬が多く、過去10年間で2012年同レース優勝馬ゴルドブリッツは次走帝王賞で優勝し、2013年同レース優勝馬ホッコータルマエは次走かしわ記念で優勝、昨年の同レース優勝馬テーオーケインズは次走帝王賞を制し、チャンピオンズカップも優勝とダート現役最強馬へと変貌を遂げた。
ここを好走すれば、明るい未来が待ち受けている印象が強く、GⅢながら強力なメンバーが揃うことも珍しくない。そして、同レースの特徴として、過去10年間で1から3人気が計8勝しており、荒れない年が多く、4、5歳馬が計8勝と若い力が躍動する傾向にある。
今年も多くの若い良馬が登録しているが、何より注目が集まっているのは、引退を撤回し戦場に戻ってきたオメガパフュームである。今更同馬について語る必要ないかもしれないが、東京大賞典4連覇の他GⅠで数々の好成績を残してきた競走馬で、その安定した成績から競馬ファン、馬券購入者から愛されている存在である。
残念ながら同日皐月賞が開催されるため、デムーロ騎手は騎乗出来ないが同馬が出走するとなれば、高齢になったが凡走するイメージはあまりない。斤量想定59キロながら過去平安Sで2度同斤量を背負いながらも好走していることから、マイナス材料ではあるものの決定的なダメージとはならなそうだ。
マイナス材料と言えば、久しぶりの阪神ダート出走のことが考えられるが、左回りでないのであれば、これも決定的なマイナスとは言えないだろう。後は次走への叩きとして、どれくらいの仕上りで出走するのか調教、パドックを見て、前走から極端に変動なければ問題なさそうだ。
ただ、同レース若い力が強い傾向にあり、ここには2頭の強力な若馬が登録している。それは、現在4連勝中のグロリアムンディ、もう1頭は現在3連勝中のバーデンヴァイラーである。どちらも勢いがもの凄く、どちらもオメガパフュームという高い壁への挑戦となるが、前哨戦ともなれば正直逆転も可能であろう。
理由として、両馬今後大きいタイトルを狙う上で重賞を勝利し、確実に賞金を加算する必要があるからである。ここを負けても問題ないオメガパフュームとは仕上りが全く違う状態で臨んでくるだろう。
阪神ダート1800mについて、ダート戦らしく逃げ、先行馬が有利なコースだがゴール前に急坂などがあり、スタミナは必要となってくる。血統面ではスマートファルコン産駒の馬券内率、単複回収率が高く、ここではオーヴェルニュが該当する。
既に重賞2勝しており、一昨年の阪神ダート1800mで施行されたベテルギウスSではテーオーケインズを負かした実績もあることから、持ち前の先行力を活かせばここでも十分勝負になるだろう。
引退を撤回した実績馬が勝つか、それとも若馬たちが新たな波を起こすか楽しみな一戦だ。
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